シャットダウンな思考回路

 私には嫌いな人間がいる。

 

多分この嫌悪感は初めて見たときから抱えているもの。時を重ねるほどに受け付けないように感じるのは、坊主憎けりゃ精神なのか、それとも単純に嫌な奴なのか。

 

 何かされたわけでもないのに、ファーストインプレッションから気持ち悪さを抱かせる原因は、ある。ただそれが私のシャットダウンな思考回路に依る悪印象の加速なのか、それともその原因が正しいのかがわからない。

 

 奇妙な話に思えるかもしれないが、人の笑顔というのはその人の人間性を表している。

 笑顔の絶えない人、笑顔を滅多に見せない人。それぞれ存在するが、そこはあまり人間性とは関係無い。

 何というか、嫌な人間が見せる笑顔はぎこちないのである。あー、ダメだ。この表現は正しくないな。ここまで極力蔑む言い方を避けて来たが、正確に表すと嫌な人間の笑顔は気持ち悪いのだ。

 不気味の谷現象というのがある。ロボットなどが人間の見た目に近づくよう改良を重ねるうちに、ある時点で不気味さを感じるようになる、というのが不気味の谷現象のおおまかな解説となる。

 

そう、何が言いたいのかと言うと、私の嫌いな人間は人間に見えないのだ。

 

 人間に似た醜悪な生き物というのを補完するエピソードが一つある。

 ある場所に羽根が乱れ、飛ぶ元気さえ無いような鳩がいた。少し離れた場所には鳩の群れがあるが、そこに行くことさえ出来ず苦しそうにする鳩だ。私ともう一人、同僚は何か出来るわけでもないが心配で近くで見ていたという状況に私の嫌いな人間が来た。

 そいつは状況を聞いて、あろうことか

「死ぬんちゃうんか」

というのを連呼したのである。にやけながら。

 

別に自分は優しい人間だと思っていない。それでもそんな言葉をにやけながら言う人間の感性は理解できない。

 

 人を象った醜悪な何か。

自分の考えを纏めるためにこの記事を書いたが、ようやく少し思考回路を開くことが出来た。

 何となく嫌いから、理由をつけての嫌いに変えられたことは大きな収穫である。